眠り姫はひだまりで
まるで、終わりを告げる鐘みたいに。
………………えっ。
ガラガラ………と開いた戸の向こうには。
呆れ顔の先生と、必死に笑いをこらえるクラスメイトたち。
え。ええぇ!まさか、遅刻!?
「………松本。そんな間抜けな顔せんで、早く席につきなさい」
先生の言葉に、クラスメイトのひとりかふたりが、こらえきれなくなったのか、ぶはっと吹き出した。
他の生徒も、笑い出さないように必死。
…………ひどぉ。
『間抜けな顔』とか言った先生もひどいし、今にも大爆笑しそうなクラスメイトたちも、あんまりだ。
確かに、さっきはチャイムの音に信じられない思いがして、ぽかんと口を開けてたけど。
私はしょぼんとなって、席に着く。
そしたら、前の席のほうで誰かが吹き出した。
な、なんで!!
今の動作にどっか笑えるとこあった!?
私がボー然となって前の席のほうを見てると、近くで声を殺して笑いをこらえる男子の姿が目に入った。