眠り姫はひだまりで


「ちょ、純くん!ははは離し……!」


「やだ。……つか色葉、その葉って奴と仲いいの?」

 
「仲………悪くはないけど……てゆーか、なんで私が葉くんと歩いてたの、知ってるの?」


………純くんの顔が近い。


やばいよ~!!


「………あそこ」


そう言うと、純くんは新校舎側の窓を指差した。


そこはカーテンがしまってて、少し暗い。


「………そこが?」

 
「あの窓から、新校舎が見えるんだよ。ちょーど俺があの窓んとこいるときに、色葉と、その葉ってやつが」

 
「………通ったんだ………」


「うん」


………見えるんだ。あの窓………


「………で、そのあと純くん、ここでなにしてたの?」

 
確か、机の横に座ってた。


「んー………寝てた?」


「寝てた?」


「そー。色葉が、ここで寝るのがいいっつうから…………」


 
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