眠り姫はひだまりで
当時、友達と秘密基地にして、空き教室を利用していたお兄ちゃん。
それをお昼寝用に私が引き継いだわけだけど……………。
純くんが、鍵を持ってることがわかったときから、ずっと思ってた。
次お兄ちゃんが帰ってきたら、鍵のこと訊こうって。
純くんは、三階の空き教室で拾ったって言ってたけど………。
詳しくは、やっぱお兄ちゃんに訊くべきだよね!
いまだにあのルートをどうやって見つけたかは教えてくれないけど、鍵のコトぐらいは教えてくれるよね?
なんか、三階の空き教室に落ちてる訳が、あるのかもしれないし。
早く五時になんないかなぁ。
「おれね、兄ちゃんが帰ってきたら、一緒にキャッチボールすんだー」
ウキウキで優馬が言ってる。
「だーめ。私の訊くこと終わってからだよ~」
「え〜……………」
ぶー、と優馬が頬を膨らませた。
そのとき、洗濯物を片付け終わり、着替えたお母さんが、二階から降りてきた。
「色葉、優馬、お母さんパートの時間だから。お留守番よろしくね?」
「「はーい」」
お母さんは、家事をしながらパートもしている。