眠り姫はひだまりで
お兄ちゃんが向こうでバイトして、お給料ちょっとだけ、こっちに送ってくれることがあるけど………
向こうでの生活もお金が要るし、うちには今主な働き手がいないから、お母さんががんばって稼いでくれてるんだ。
「色葉。優馬をお願いね。お昼になったら適当に色葉、なんか作りなさい」
「はーい……………」
「あーあ。姉ちゃんの料理、お母さんのより美味しくないから、やだなぁ」
「なにをー!?」
「はいはい。ケンカしないの。優馬もワガママ言わない。じゃあ、お母さん六時には帰るから。お兄ちゃんのことちゃんと出迎えてあげるのよ?」
「「はーい」」
「よし。それじゃ行ってくるね」
ガチャ…………と家の玄関のドアが開いて、お母さんは出て行った。
「………………………」
……………しーん。
うちには今、私と優馬しかいない。