眠り姫はひだまりで

声がした方を見上げると………


「………どなたですか」


 
知らない男の人だった。

 
といっても、高校生っぽい。

私と同じくらいかなぁ?歳。

優しそうな感じの…………


なんで私の名前知ってるんだろう?


私がきょとんとしていると、座っている私の横に立っている彼は、「え~・・・」と言った。


「覚えてないの?僕だよ。佐伯大和(さえき やまと)」


「…さえき?」


さえき………佐伯? 大和……


んー、なんか引っかかるんだけど……


………ダメだ。思い出せない!


「ごめんなさい………えっと…どこかでお会いしましたでしょうか?」

 
まさか知らぬ間にご迷惑を!?

私ならありうる!


「マジで?覚えてないの?まぁ、色葉そーゆー奴だよね。ホラ。中学で同じクラスだったじゃん」


「…………………」


  
思わず顔を凝視してしまう。

思い出せ、思い出せ…………


うーーっっとしばらくうなっていると、


「………………あぁ!」


思い出した!


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