シンデレラストーリー
笹野りかこ
長髪美女で、俺のタイプというドンピシャな女の子だった。
…なんてはずもなく、その普通さに驚いた。
とくに特徴のない顔に洒落っ気のない制服の着方。
スカートを折るわけでもなく、シャンと着ている。
「えー、まじかよー」
俺はついつい声に出してしまった。
すると、彼女はビクッとする。
おれの声が…聞こえた?
「あの…笹野りかこちゃんだよね?」
試しにもう一度言ってみた。
りかこはまた、それに反応するかのようにビクッとした。
しかし、空耳かと思ったのかスルーされてしまった。
そりゃそうだろう。いきなり部屋から声がするなんて
普通だったらあり得ない。
「あのさ、空耳じゃないよ!りかこちゃんだよね?」