シンデレラストーリー

笹野りかこ

長髪美女で、俺のタイプというドンピシャな女の子だった。


…なんてはずもなく、その普通さに驚いた。

とくに特徴のない顔に洒落っ気のない制服の着方。

スカートを折るわけでもなく、シャンと着ている。

「えー、まじかよー」

俺はついつい声に出してしまった。

すると、彼女はビクッとする。

おれの声が…聞こえた?

「あの…笹野りかこちゃんだよね?」

試しにもう一度言ってみた。

りかこはまた、それに反応するかのようにビクッとした。

しかし、空耳かと思ったのかスルーされてしまった。

そりゃそうだろう。いきなり部屋から声がするなんて
普通だったらあり得ない。

「あのさ、空耳じゃないよ!りかこちゃんだよね?」




< 32 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop