シンデレラストーリー

「ねぇ、その…地上旅行とか光の国とか、俺にはよくわかんないんだけど…」

幼い少女は、この物分りの悪いお兄ちゃんに頭を抱えてしまっているらしい。

「あー、何でも無いよ。じゃぁ、地上旅行楽しんできてね!」

すると少女の顔は明るくなった。
こんな無邪気な笑顔ができるじゃないか。
そんなことをおもっていると、少女が言った。



「ねえ、お兄さん。お兄さんは幸せだった?」




へ?

こんな小さな少女からの言葉にびっくりした。

「そうだな…。俺の人生…か」

俺は17年と6ヶ月という短命で終わった少年、
澤口修哉という人生を思い出した。

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