人間♂拾いました。
捨て猫見つけました




オレンジ色に染まった大空を黒がのみこんでいく午後7時頃

人通りが多い桜木商店街の端っこのもうシャッターが閉まっている店の前に
一人の優しそうなおじさんと顔は俯いてて見えないが可愛らしそうな女の子が喋っていた。

いや。男のほうが一方的に喋りかけている、といったほうがいいかも。


いわゆるナンパという奴。


「ねぇ、君一人?ちょっとだけでもいいからさ、俺とお茶しようよ」


「・・・・・・・・・ヤダ。」


「そんなこと言わずにさ~こんな時間に一人でいるってことは家出かな?」


「・・・・・・(コクリ」


「じゃあ俺の家にきなよ!」


「・・・・・・・・・あのッ」


「そうだ!そうしよう!!」



・・・・・・・・・・・どうしよう。


私、佐藤夏弥は目の前でいかにも怪しそうなおっさんにナンパ?されている光景を見ていた。


う~ん・・・・・・これって絶対助けた方がいいよね?



周りをちらっと見てみたが、周りの人はチラッと見てはいるが、関わらないように再び歩き出したり、携帯のカメラ機能で写真を撮っている人もいた。


誰も助けようとはしていない。



怖いけど・・・・・・犯罪手前の所を目撃して止めないのはあれだしなー・・・



顔はよく見えないけどきっとあの女の子は怖がってるはず!!



私は勇気をだして汗だくで息が荒くなってきたおっさんに近づいた。


< 1 / 13 >

この作品をシェア

pagetop