あめ
「私を、どうするつもりです、か」
「ジン・アイヴァンスに迎えに来てもらうよ。
ここの場所は教えたし、君を預かったって伝えたから真っ先に来るんだろうね」
「…は、愚かな。
あなた一人で適う相手ではありませんよ」
「残念ながら一人じゃないんだ。今この建物には100人ちょいの兵隊が集まってる。
いくら彼でも、こんな狭い所で100人も相手はできないだろ」
「建物ごと燃やされたら…どうします」
「そのために君がいる」
男は冷ややかに、でも穏やかに笑う。
主は構わず燃やすだろう、言ってやりたかったが、燃やしてほしくはなかった。
味わったことのない屈辱に感情を支配され、涙が溢れそうになった。