あめ
「主が、来た、瞬間……私を先に、殺すつもりですね」
「そうだよ。
恋人とはいかなくとも一番大切にしている人間。
すなわち君を目の前で殺される辛さを味わってもらわなくちゃね。」
「…悪趣味」
いや、決して他人を言える立場ではないが。
目の前で殺される。
主はどんな顔をするだろう。
冷たい銃口を突き付けられ、そんなレインを見ても、ジンが動揺する様なんて想像はできない。
きっと無感情に見送る事だろう。
「…無駄なことを」
レインが殺されたところで彼がやることは変わらない。
この国に従い、異端を切り刻むだけ。
けれどそれでは悲しすぎるから、その破壊衝動の傍らに居続けようと決めた。
それはいつの日だっただろう。
「……ああ、そうだ」
男は何かを思いついたように指で顎を掴んだ。
細められた目でレインをみやる。
なにを思ったか、男はレインを床に倒し、それに馬乗りになった。
「君が他の男に犯されたら、もっと悔しがるかもしれないね」
「―――――…っ!!」