あめ



男たちはそれぞれ銃を構えた。


もはや人間とはみなされていないらしく、全員が全員震えている。



「あれ、逃げないんですか。
私が誰だかわかっていないんでしょうか」



「だ、黙れ化け物!
たかが女一人、この人数に適うものか!」


「矛盾してますよ。
私は女ですか、化け物ですか」




ため息をついて、レインは剣を抜いた。

刀身が擦れる音に、ひぃ、とまた悲鳴が漏れる。



そんな臆病でよくジンを殺すと公言できたもの。

呆れてものも言えない。




悲鳴を聞き付けてさらに数人、いや数十人が集まってきた。

一様にみな男の死体を見つけて騒めきを増した。



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