あめ



ジンは片手でピストルの形を作った。

逃げる背中を無気力な声が追う。



「ばーんっ」



指先から炎が吹き出し、羊たちの背中を掴み、奪い、焼き尽くす。


哀れなことに軽症で済んだ仔等も劫火に焼かれ続けるのだ。




「やれやれ…壊れてなきゃいいんだがな」



ジンは、倒れた死体を踏み付けながら奥へと進んでいった。




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