あめ



「まぁいいさ、無事ならそれで問題はない。

歯は今度作ってもらうか」


「やはり無いといけませんかね」


「さすがに前歯はイタイ。」


「すみません…」



再び悄気るレインの頭を撫で、ジンは珍しく微笑んだ。



「さ、帰るか」



上着を脱いでレインに頭から被せると、そのままお姫様だっこで抱えあげる。




「――っ、ちょ、歩けますよ!」


「気にするな、俺の気紛れだ」



「気にします!
た、高い高い高い!」



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