俺様彼氏の説明書
どうしよう…
思うよりずっと事態は深刻なのかもしれない
もう自分の入り込む余地はこれっぽっちも残されていないのかもしれない
こうなってくると、朝の決意もどこへやら
また臆病者の私が顔を出す
「菜々子ちゃんどうしたの?」
教室を一緒に掃除しているクラスメイトの女の子が、私の様子を見て話しかけてくる
今日は優ちゃんも家の用事があると言って先に帰っていない
「なんか顔色すごく悪いけど…しんどいなら私たちだけで掃除しとくよ?」
浬世也もいない
深雪ちゃんもいない
頼るべき人は誰も残ってはいない
私、一人
自分の力でなんとかしなけりゃならない
「ごめん…じゃあお願いしていいかな?」