俺様彼氏の説明書
叫んだと同時に私の後ろで書庫の扉が閉まる
私はもう立っていられなくて、そのままその場で座り込んでいた
やめて…
とらないで
声に出したつもりだったけど、涙で声にならない
斗真くんが立ち上がるのだけが、涙で滲んだ目にぼやけてうつった
でも斗真くんがこちらに来る様子がない
ぼやけた瞳には美桜ちゃんに近づいている斗真くんが再びうつった
ああ…
やっぱりダメだったんだね
もう手遅れだった?
短い間だったけど
斗真くんの彼女になれただけでも奇跡だったのかな?
ラブパワーが足りなかったかな?
私は2人の姿を直視できなくて、俯くとギュッと強く瞳を閉じた
「風邪引くから制服着ろ」