俺様彼氏の説明書
え…
その言葉を聞いても相変わらず顔を上げる気にはならないけれど
「斗真先輩…」
「おまえの本気の気持ちはよくわかったから、制服着て」
やっと上げた目に写ったのは斗真くんが、美桜ちゃんの制服を拾って着せている姿で
斗真くんは美桜ちゃんに言い聞かすように話していた
「こんなことしても俺の気持ちは動かないって前から言ってるだろ?」
「でも…」
「まあ…気を持たすようなことした俺も悪いけど」
そして美桜ちゃんの制服のリボンを結んでから私の方を見る
「文句ならあいつに言って」
そう言った斗真くんの顔には私の大好きなあの優しい笑顔
「俺を本気にさせたの、あいつだけだから」
斗真くん
その言葉は
『好き』なんかより
もっとずっと
威力があるって知ってる?