俺様彼氏の説明書
「なんだ…いるのかよ」
「え?」
斗真くんは不機嫌な顔のままそう言うと大きな息を一つついた
「おまえ何で電話に出ないの?」
あ…
どうしよう…
そう言えばシカトしてたんだ
まさか家にまで来るとは思わなかったから
私はこの状況をなんて言い訳しようか考えていると、斗真くんは続けて話し出した
「無事ならいいんだよ…じゃあな」
「え!?」
「なんだよ?」
もしかして斗真くん、心配してわざわざ家まで来てくれたの?
よく見ると服は私服で家に一旦帰ってから来てくれたらしい
斗真くんの髪型は少し乱れていて、それを見ただけで胸がキュっとなるのを感じた
「あの、入って!お茶入れるから…」
そう言って掴んだ斗真くんの腕もとても冷たくて
電話ぐらい取ればよかったと今さら後悔する