俺様彼氏の説明書
斗真くんを家の中に招き入れると、斗真くんはキョロキョロしながら不思議そうな顔をしている
「どうしたの?」
「…いや、親は?」
「え?ああ、うち母子家庭だって言わなかったっけ?」
「ああ…」
「今日はお母さん夜勤だからいないの」
「ふーん…」
すると斗真くんが少し笑ったような気がした
なんだろう…
そう思いながらも私は斗真くんに熱いコーヒーを入れてあげようとキッチンに急いだ
斗真くんが家にいるなんて変なの
家の前までなら何度か送って貰ったけれど
中に入るのって思えば初めてだ
なんか気恥ずかしいかも
私はそんな気持ちを斗真くんに悟られないように、コーヒーを入れて斗真くんが座っているソファーの前の机に置いた
「はい、どうぞ」
「ありがと」
「うん」
「座れば?」
そう言って斗真くんは自分の隣をポンポンと叩く
うわ、自分の家なのに激しく緊張する