俺様彼氏の説明書



私はその言葉にうどんを食べながら、美桜ちゃんの方に目だけをチラリと向ける



美桜ちゃんは何かを思い出したようだ




「斗真先輩が初めて笑ってくれたのは、菜々子先輩の話をしたときですよ」



え?



私はその思いがけない言葉にうどんを食べる手を止めて、美桜ちゃんを見ていた



斗真くんが美桜ちゃんに初めて笑顔を向けていたのを見たのは



確か一緒に登校してたのを見つけた時



美桜ちゃんが必死で斗真くんに話しかけてた



あの時


あの優しい笑顔は…



私のことを思い出してくれてたの?



それだけで胸がいっぱいになる



もうこれ以上はうどんが喉を通らないかも






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