俺様彼氏の説明書
「美桜ちゃん!」
「キャッ!何ですか!?」
私は美桜ちゃんの手をガッチリ掴んでいた
「わざわざありがとうね!性格悪いと思ってたけど、結構いいやつじゃん!」
「菜々子先輩…何気にひどいです…」
ああ、今まで嫌いだったけど何だか憎めない存在になってしまった
「まあ、斗真先輩はもういいんです…あの人はもう無理です」
そう言った美桜ちゃんは、今正にうどんを食べ終わった優ちゃんの方を見ている
ん?
等々、男の子に飽きてそっち方面にお引っ越し?
そう思って優ちゃんと美桜ちゃんを交互に見ていると
「今度は浬世也先輩、狙います」
はい?
浬世也?
その言葉に私は背筋が凍っていくのを感じる
恐る恐る前を見ると
うどんの汁が残ったどんぶりを持ち上げている、優ちゃんの姿が写った