俺様彼氏の説明書
優ちゃんに、ガッツポーズをしながら斗真くんの後ろをお弁当を持って付いていく
廊下に出ると食堂に行く人で込み合っていた
うわ…
やっぱり馴れない…
女子からの容赦ない視線
3ヶ月も経つから前よりはマシになったけれど見られることに変わりはない
でも斗真くんはやっぱり見られていることに馴れていて、まったく気にした様子もなく図書室に向かってドンドン歩いて行く
私は少し俯きながら歩いていたせいで斗真くんとかなりの距離が出来ていた
「倉田さん」
ザワザワした話し声に混じって、私を呼ぶ声が聞こえて振り返る
「ちょっといいかな?」
そこには、いつか私に告白してくれた隣のクラスの男の子が立っていて
名前は確か『佐藤くん』だった
「う、うん」
友達からって言ってくれた佐藤くんの告白を断るのは正直すごく辛かった
どこかで自分と彼を重ねていたのだろう