俺様彼氏の説明書
「おまえ何怒ってんの?」
「は?」
「怒ってんのはおまえじゃなくて俺ね」
そして腕を取られて斗真くんの体に引きずり込まれる
でもそんなことじゃあ、誤魔化されたりしない
私は言葉のボリュームに気を付けながら、斗真くんの腕の中で言いたいことを次々とぶつける
「あのこ何て言う名前なの?」
「だから知らねーよ」
「じゃああっちは何で斗真くんのこと知ってるの?」
「知らねー」
「さっきからその言葉しか言ってないよ」
「知らないものは知らないし、昨日なんか言ってたけど興味ないから覚えてない」
そう言った斗真くんの目は昨日と同じ、どうでもよさそうな顔
呆れた…
その言葉を聞いて、最初に名前も覚えて貰えなかった自分を思い出す
「じゃあ黙って一緒に登校することないでしょ?」