俺様彼氏の説明書



私は彼女の登場にどう反応していいのかわからずに、ただポカンと見つめていた



彼女は私のその様子にクスリと鼻で笑って話し出す



「倉田先輩が斗真先輩と付き合ってるんですね?」



え…


彼女は変わらずニコニコ笑顔を向けてくるけれど、よく見ると瞳の奥はユラユラと私を射るように見つめていて…



全然笑ってない…



「私、入学したときから斗真先輩のことが気になってたんですよ…クールでかっこよくて…憧れますよね?」



うん…


それは、私もそうだった…

けど…



「私ずっと三宅先輩と斗真先輩が付き合ってると思ってたから…諦めてたんです…」



なんか…


息苦しいな…


聞きたくない


もうこれ以上は聞かない方がいい気がする



そう思っているのに



気持ちとは反対に足はその場に塗り固められたように動けなくて




< 49 / 166 >

この作品をシェア

pagetop