俺様彼氏の説明書



『興味がないから覚えてない』


確かそう言いましたよね?



ってことは興味が出たってこと?



あの笑顔の瞬間に…



「菜々子?」



私の様子を見て、斗真くんが顔を覗き込んでくる



「どうした?まだ腹の調子が悪いのか?」



ダメダメ…


これ私の悪い癖だ


何でも悪い方向に考えて一人でドツボに入っていくの



こういうの聞かなくちゃダメって、優ちゃんのことを勘違いしてたときに痛いほど痛感したじゃん私!



「斗真くん!」


「ん?」



そこまで言って続きの言葉がなかなか出てこない



ああ…


ショックを受けたくなくて嫌なことを避けて通ろうとするこの片思いグセが治ってないよ…





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