俺様彼氏の説明書



やばい…もう帰りたい



私、打たれ弱すぎる…



西陽に照らされた2人が特別な存在に思えてくる



いつも座っている席なのに居心地が悪い



今、ここから出ていっても気づかれない気がする



しかもどうせ斗真くんと私は反対方向で、斗真くんと美桜ちゃんが一緒に帰るところを嫌でも見送らないといけなくて



ああ…


やばい…MP使い果たしてポジティブシンキングが出来なくなってるよ



ダメだ


もういい!帰っちゃえ!!



私はそう決心すると、そっと席を立って本を見るフリをしながら図書室から出ていった



「はぁ〜…出てきてしまった…」



廊下はシンと静まり還っていて、寂しさがさらに身に染みる



中で楽しそうに話している斗真くんを思うと益々気が重くなる



ライバルを彼氏と一緒に残してくるとか



どんだけチキンなの私…



帰ろうか迷いながらも戻る気にもなれず、静まりかえった廊下を歩き出した






「あれ?倉田さん、今帰り?」






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