俺様彼氏の説明書




私はそんな会話をしながら斗真くんと美桜ちゃんのことを思い出だす



趣味が同じって、つまりこれと同じことだよね



同じ立場になってみて気づいたけど、趣味が合うからって好きになることとは直結したりしない



それだけで逃げ出してくるなんて



私、やっぱり考え過ぎだな



まあ相手が美桜ちゃんだから不安倍増ってことはあるけど



逃げてたら何にもならないもんね



そこまで考えて足を止める



「倉田さん?」



足を止めた私を不思議そうに振り返る佐藤くん



うん


やっぱり図書室に戻ろう


私は今、片想いじゃないんだもん



「佐藤くん、ありがとね!なんか元気でたよ!」



私が佐藤くんに向かって笑顔でお礼を言うと、佐藤くんが少し照れた顔をした



そしてその後、真顔になる



「…っ…あ、じゃあ俺はここで…」


「…?うん、バイバイ」



私は佐藤くんに手を振ろうと右手を上げた



けれどその手首を振ることなく、後ろから誰かに強く掴まれた



━━━━!?






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