あんなやつ大嫌い
「あっ、悪い…
じゃなくて結婚って良いのかよ!」

「だから何が?」

怒ったような大将に、小鳩は不思議そうに首をかしげた。

「だから、結婚だぞ!?
紫音が結婚するって事は…
結婚するって事だよ!!」

「だからおめでたいでしょ?」

「お前本気で言ってるのか?
だってお前…
紫音の事…」

「紫音が何?」

大将は気まずそうに背を向けた。

「…す、好きなんだろ?」

「…は?」

小鳥が気の抜けたような声を出すと、大将は怒ったように振り返った。

「嘘つくなよ!
紫音がアメリカ行ったときあんなに泣いてたくせに!!」

「あ、あれはそんなんじゃないよ!?
確かに紫音には憧れてるし、あの時は寂しくて泣いちゃったけど…
でもそれだけだよ!
お兄ちゃんが居なくなっちゃった的な涙だよ!?」 

「…はぁ?」

「えっ?」

二人は驚いたように顔を見合わせた。

「「え~!?」」
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