あんなやつ大嫌い

「えっと、喧嘩してるの？」

心配そうな紫音がゆっくりと廊下に顔を出し、小鳥は呆れたように玄関に向かった。

「えっ、小鳥！？」

紫音の声にも振り返らずに、小鳥はそのまま出て行った。

「あぁﾞくそっ！！」

大将はいきなりしゃがむと叫ぶように言った。

「ヒロくん…」

「ひーくん…」

「「ごめんなさいした方が良いかもよ？」」

大将の両サイドにしゃがんだ美魅と璃里のダブルサウンドに、大将は大きなため息をついてから立ち上がると玄関に向かって駆け出した。

「「面倒な二人だね。」」

「あれが幼馴染みだよ？」

「「無かったことにします。」」

美魅と璃里のダブルサウンドに苦笑いを浮かべつつ、紫音は開きっぱなしの扉を見つめた。