あんなやつ大嫌い
「小鳥!!」

足を引きずりながら歩いていた小鳥は、ぴたりと立ち止まった。

「ごめん!!」

大将は素直に頭を下げた。

「…何が?」

「だから…
勘違いしてた事とか…
態度とか…」

大将が言うと、小鳥はゆっくり振り返った。

「本気で悩んだんだよ!?
何でヒロとこんな風になっちゃったのかって…」

振り返った小鳥は、涙で頬を濡らしていた。

大将はゆったり小鳥に歩みより、そっと抱き締めた。

「ごめん…
本当にごめん…」

背の高い小鳥を抱え込むように抱き締めて、大将は優しく小鳥の頭を撫でた。

「…これからは今まで通り…?」

「…あぁ、今まで通りだ。」

「…もう二度と嫌だからね…?」

「…俺もだ。」

二人はしばらくそのまま抱き合っていた。

夜空に輝く月だけが二人を見ていた。
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