あんなやつ大嫌い
相変わらず小鳥と大将の喧嘩は絶えないものの、そんなの些細な事だった。

夏休み以来、確かに小鳥と大将の間に流れる空気は変わっていた。

紫音は二人の仲直りを見届けると、アメリカに戻っていった。

次に会うのは、紫音の結婚式だろう。

それまでに仲直りできて良かったと、小鳥は心から喜んでいた。

「そういえば、最近の小鳥ちゃんは落ち着いてるよね。」

昼休みになり、購買に行った大将を待ちながら美魅が退屈そうに言った。

「そう?」

小鳥は待ちきれずにつまみ食いしながら首をかしげた。

「確かに。
少し前までは、赤くなったり赤くなったりしてた。」

同じく待ちきれなかった璃里がつまみ食いしながら言った。

「そんなに赤かった!?」

小鳥が苦笑いしながら言うと、美魅と璃里がコクりと頷いた。

「うーん…
確かにちょっと前はヒロが別人みたいに見えて変だったけど…
仲直りしたら今までとなにも変わってなかったからさぁ。」

「「だから?」」

「だからぁ…
まぁ、ヒロはヒロだって事じゃん?」

小鳥のあっさりとした言葉に、美魅と璃里は呆れたような飽きたようなため息をついた。
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