あんなやつ大嫌い
「私、ヒロの事好きだよ…」

小鳥は震える声を押さえるように手を握り締めた。

「でも、今はまだどういう好きなのか…
自分でもよく分からないの…」

小鳥の言葉を、大将はただ黙って聞いていた。

「ヒロは特別だけど、特別だからよく分からないの…」

「…そうだな。」

大将は苦笑いを浮かべていた。

「…でも、大切だから!
だから、ちゃんと考える…
ちゃんと考えてみるから!
だから…
時間が欲しいの。」

小鳥の必死の言葉に、大将はゆっくり頷いた。

「10年以上待ったんだ…
待つのなんて余裕だよ。
ゆっくり考えてくれたらそれで良い。」

そう言って大将は優しく微笑んだ。
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