あんなやつ大嫌い
「騙してごめんなさい。
左わけが美魅。」

「璃里が右わけ。
騙してごめんなさい。」

「「そうじゃなくて!!」」

クラスメイトが焦ったように言うと、美魅と璃里は首をかしげた。

「あの二人を止めて!」

「お願い!
美魅ちゃん、璃里ちゃん!」

女子たちの必死な視線に、美魅と璃里は無表情で見つめ合った。

「「大丈夫だと思う。」」

「えっ?」

「「そろそろ限界だから。」」

「何が?」

美魅と璃里はゆっくり指差した。

全員の視線が指差す先に集中した。

バンッと凄い音で、駿が黒板を叩いた。

「いい加減にしろ!!
小鳥、大将、どっちも悪い!!」

駿の怒鳴り声に驚いた小鳥と大将は、ピタリと黙った。
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