あんなやつ大嫌い
「「駿くんが怒ると二人は黙るから。」」

美魅と璃里の言葉通り、小鳥と大将は気まずそうにうつむいている。

「寝てた自分達が悪いのは分かってるだろ?」

駿の言葉に小鳥と大将が頷くと、駿は困ったようなため息をついた。

「だったら素直に受け入れなさい。
それが二人一緒でも、クラス代表としての責任は果たさないとね?」

諭すような駿の言葉に、小鳥と大将は黙ったまま頷いた。

「それから…
クラス全員か仲良しなのは賛成です。
でも無理矢理とかじゃなくて、自分達から仲良くなって欲しいと、先生は思います。
だから、皆も騒ぎすぎないで見守る事も忘れないように。」

駿は教室を見渡した。

「最後の高校生活、やっぱり楽しいのが一番ですよ。」

そう言って駿が優しく微笑むと、クラスメイト達も安心したようにそして嬉しそうな笑顔を浮かべた。

「「一件落着。」」

美魅と璃里がぽつりと呟くと、クラスに笑いが起こった。

不思議そうに首をかしげる二人を見ながら、小鳥と大将も苦笑いを浮かべた。
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