あんなやつ大嫌い
怒りは収まりそうもなく、声がどんどん大きくなっていく。

「黙って聞いてたら何よ!
姉様(あねさま)と一緒で何が不満なのよ!?」

一人の女子が叫ぶように言うと、それに同調する声が広がっていった。

「そっちこそ何よ!
大将(たいしょう)が嫌だって言ったら嫌なのよ!」

別の女子が叫ぶと、今度はそれに同調する声が広がった。

「姉様の何が不満なのよ!」

「そっちこそ大将に文句言わないでよ!」

気付けば当人より周りの方が熱くなっていた。

「「どうするの?」」

スピーカーが響く。

女子が叫ぶ。

男子は戸惑うばかりで止められない。
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