あんなやつ大嫌い
「私、急に手伝いたくなっちゃった!」

小鳥が引きつった笑顔で言うと、キッチンから優しい微笑みが向けられた。

小鳥は駿に近付くと、周りに聞こえないように囁いた。

「ちょっと駿ちゃん!
あれで良いの!?」

「仕方ないよ。
小鳩(こばと)ちゃんだから。」

駿は小声でそう言いながら、幸せそうに微笑んだ。

「駿くん、幸せそう。」

「幸せそう、駿くん。」

「「羨ましい…」」

コーヒーと料理を運んできた美魅と璃里は、そう言いながら鋭い視線を駿に向けた。

「相変わらずおねぇのこと好きなのね…」

小鳥が呆れながら言うと、美魅と璃里は大きく頷いた。

「「育ててくれたんだから当然。」」

「いや、あんた達は両親に育てられたんだからね!?」

小鳥の声には耳を傾けず、美魅と璃里はそそくさと小鳩の元へ戻っていった。

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