あんなやつ大嫌い
「…あぁもう!
分かったわよ!!」

塞いでいた手を降り下ろしながらそう言うと、騒いでいた声が一気に静かになった。

すっと生徒が退き、目の前に騒ぎの中心が現れた。

「決まったものは仕方がないでしょ!?」

飽きれ気味に言うと、左側から強い視線を浴びせられた。

「それが嫌だって言ってんだよ!」

その声のあとには、右側から生暖かいくらいの期待の視線が向けられた。

「ワガママ言わないのよ?」

「母親みたいなこと言うんじゃねーよ!」

「私だって好きで言ったんじゃないわよ!」

「だったら黙ってろ!」

「そっちこそ!」

鋭い視線がぶつかった。

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