あんなやつ大嫌い
「はい、そこまで。」

急にのんびりとした声が聞こえて、全員が声の主を見つめた。

「二人とも、生徒指導室おいで?」

その声は優しかったが、目はキラリと光っていた。

「「はい…」」

有無を言わせない声に、思わず返事を返してしまった。

「姉様…」

「大将…」

女子からの同情するような声に力なく答えてから輪を抜けると、二人は決して並ばないように離れて生徒指導室へ向かった。



それが一年の始まりの日だった。


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