あんなやつ大嫌い
「で、何が原因なの?」

新学期初日に生徒指導室に呼び出されたのは、後にも先にも二人しかいないだろう。

「…駿兄(しゅんにい)の仕業か?」

大将が睨み付けるように言うと、お茶を飲んでいた口許がニヤリと笑みを浮かべていた。

「駿ちゃん!
何で最後の最後で一緒にしたの!?」

二人のイライラした声にも動じずに、ゆっくり湯飲みを置いて優しく微笑みを浮かべた。

「僕は教師だよ?
最後くらいは皆で過ごしたいなって。
それに、学校では『小山先生』でしょ?」

「駿ちゃん!」「駿兄!」

呆れたような二人の怒鳴り声に、駿は苦笑いを浮かべた。
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