あんなやつ大嫌い
「…よく寝てるか…」

「…鞄…」

「…取って…」

話し声が聞こえた。

小鳥がゆっくり目を開けると、温かい夕日が射し込んでいた。

「…あれ、今何時?」

「5時だよ。」

夢現で聞くと、優しい声と心配そうな表情の駿が覗き込んでいた。

「駿ちゃん…」

「貧血だって。
大丈夫?」

「うん、大丈夫。
びっくりした…」

小鳥が苦笑いを浮かべると、駿は困ったように目を細めた。

「びっくりしたのはこっちだよ。
小鳥が貧血起こすなんてさ。」

「校長の話が長いからいけないんだよ…
駿ちゃんが運んでくれたの?」

小鳥が聞くと、駿は曖昧な表情で微笑んだ。

「「小鳥ちゃん?」」

「美魅、璃里…」

不安そうな表情で保健室に入ってきた二人に小鳥が微笑みかけると、美魅と璃里は安心したような笑顔を浮かべた。

「「大丈夫?」」

「うん、ぐっすり寝たから。
最近寝不足だったからかな?
ごめんね、心配かけて。」
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