Love Prince―18歳の初恋―【完】
「何。兄貴のわかーい彼女は、癒杏ちゃんて言うんだ」



龍介さんは、私の名前を聞くなり、そう言った。

…まだ彼女じゃない…。

何とも気分を悪くさせる人だ。

居心地が微妙だし、陵介君は居ないけど、このメンバーでの家族団欒は邪魔したくない。

私は「…帰ります」と立ち上がった。



「あら、どうして?私たちと寝るのは嫌?」



「違うよっ!」



パパとママは大好き。

でも、どこか龍介さんを好けない自分が居るんだ。

先生の、兄弟なのに。



「癒杏ちゃん、兄貴と寝れば?
なぁ、兄貴。良くないか?(笑)」



「何で俺が、教え子と寝なきゃいけないんだよ」



先生は龍介さんの頭を叩き、キッチンへ手を洗いに行った。
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