Love Prince―18歳の初恋―【完】
「人、多い…」



人混みは苦手ではないけど、GWなせいか、かなり多くて、道幅も狭いから、年末の空港より歩きづらい。

私は先生を必死に追い掛けるも、上手く進めず、すぐに距離が出来てしまう為、近付けた時、手を掴んだ。



「握ってて、良い?はぐれないように…」



改めて言うと、こんなにも恥ずかしいセリフだったのかと思う。

無言でキツく、離れないように握り返してくれた先生。

今だけでも、恋人気分が味わえて、思わず幸せを噛み締めた。



「…何でだろうな」



人混みの中は、先生の声は小さいながら、必死に聞き耳を立てる。
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