Love Prince―18歳の初恋―【完】
12‐雨のちキッス
お茶屋さんで、抹茶と三色団子をご馳走して貰った私は、デジカメを構えて、会計から戻って来る先生を撮った。
何も気付いてない先生は、自然に手を差し出してくれた。
「やる事ねぇな」
道端を歩き、なるべく人を避けて歩いて、まだ30分前ながら、待ち合わせ場所に戻る事にした。
「龍哉は、陵介君まで先に結婚しても良いの?」
「急に真面目な話だな」
私の問い掛けに、先生は煙草を取り出そうとしてた手を止めて、ジッポーの蓋の開閉を繰り返してる。
「別に誰が先に結婚しようと構わない。まぁ、長男としては、早く結婚して、一番に内孫の顔を親に見せたかったけど」
先生はカチンッと強く音を起てながら、ジッポーの蓋を閉じて、私を見た。