Love Prince―18歳の初恋―【完】
お腹が満たされ、私は胃袋を休める為に、窓から小さな庭へと出た。

浴衣の裾を持ち上げ、2人は入れそうな露天風呂から溢れるお湯を、足で軽く蹴飛ばす。

大浴場も良かったけど、家族風呂も良いかも知れない。

後で部屋のお風呂に入ろうと決めて、足を拭いて室内に戻ると、みんなも食事を終えて居た。



「兄貴…」



「何だよ」



楽しかった空気が、陵介君が先生を呼んだ刹那、凍り付いたように、静まった。



「俺、杏奈と同室が良い」



けど、みんなが注目したわりに、発言は可愛いモノであった。

お姉ちゃんは恥ずかしがりながら、「別に一緒じゃなくて良いでしょ!」と、陵介君の腕を叩く。
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