Love Prince―18歳の初恋―【完】
チャイムが鳴れば、先生が来て、教室が騒がしい。

いつもより騒がしく思うのは、連休明けだからなのか。

それとも私のヤキモチなのか。

自分でも謎な事。



「もうすぐ中間テスト。
今から範囲表を配るから、頑張って勉強しろよ」



「…岳ー、卒業しないでー(泣)」



「意味がわかんねぇよ;;」



テストが始まる前から自信のない私は、岳の腕を掴んで叫ぶ。

留年で卒業がなくなったら、1人ぼっち。

岳が残ってくれたら、増しでしょ?



「安心しろ。彼氏の龍ちゃんに、教えて貰え!(笑)」



「「「『――貞包さんに“彼氏”ッ!?』」」」



…居たらダメ?;;

岳の笑い声と、クラスメイトの揃った声が、私の耳を痛め付けた。
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