Love Prince―18歳の初恋―【完】
鼓膜が破れたかと思うほどで、私は耳を塞いで、周りを見た。

先生は岳を睨み、みんなはヒソヒソと何かを言ってる。



「貞包さんの彼氏ってまさか…よくプリウスで迎えに来てる人?」



斜め後ろの席の子に訊かれて、私は首を振った。

全てを言えないながら、お姉ちゃんの彼氏であり、先生の弟である陵介君を、彼氏にしたくなかった。



「お迎えに来てくれるのは、お姉ちゃんの彼氏。私の彼氏は、陵介君のお兄ちゃんだよ」



顔は似てないし、バレたら龍介さんを替え玉にしてみるのも、ありだと思った。

先生は「1時間目が始まるじゃねぇか」と言って、範囲表を急いで配ってる。
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