Love Prince―18歳の初恋―【完】
ーーバンッ

なのに、ごみ捨て場に戻った瞬間、扉を閉められた。



「え…ちょっとっ!!」



扉をドンドン叩いても、何の反応もなく、誰かの故意だと、私でもすぐに気が付いた。



「私、何かしましたか!?」



叫んでも、無意味になった。

私の声と同時に、去って行く足音がしたから。

左右、後ろにはゴミ箱とごみ袋。

悪臭の中は、呼吸が辛い。

携帯は教室。

旧校舎の裏にプレハブで立てられたこの場所は、もしかしたら明日まで、誰も気付いてくれないかも知れない。

…龍哉…亜果利…!



「先生っ!亜果利、岳――ッ!」



私は誰かが来てくれるかも知れないと、淡い気持ちを抱き直して、扉を叩き、必死に叫んだ――…。




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