Love Prince―18歳の初恋―【完】
ーーガラ…ッ



「癒杏…?え、癒杏、何で…!」



バサッとと言えば良いのだろうか。

蒼白い顔色の癒杏が、手から血を流した状態で、私の足元に倒れた。

…誰が、こんな…。



「岳…っ…」



癒杏の手を握り、震える声で岳に電話をすると、急いで来てくれた。

癒杏の襟元のボタンを外し、呼吸をしやすくした岳は、抱き抱えて、保健室へと歩き出す。

来た時に閉じ込められたとしたら、1時間はここへ居た事になる。

私はまだわからない犯人に怒りを覚えながら、癒杏のお姉さんへと連絡を入れた。

ナナコ先生より、岳のお父さんに診て貰って欲しい。

家で休ませてあげたい。
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