Love Prince―18歳の初恋―【完】
教室に入ると、ロングHR中で、矢田先生が話をしていた。



「あ……貞包さん、じゃないですか?」



杏奈さんに気付き、私にはわかりやすい動揺を見せた先生。

“あ……”って言うのは、驚いたわけじゃなく、きっと、杏奈のあ、だ。

杏奈さんが「お世話になってます」と、挨拶する声を聞きながら、癒杏の荷物を纏めて、ドアの所に戻る。

すると先生は、「ちょっと待ってろ」と言って、廊下に出て来た。



「何があったんだ」



先生は何故か、私を見て来る。

私は「ここではちょっと…」と目を逸らす。

けど杏奈さんが、「早く帰って来て下さい。後で説明しますから」と言ってくれて、その場は何とか収まった。



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