Love Prince―18歳の初恋―【完】
18‐龍哉SIDE
部活を中止し、いつもより早く帰宅。
癒杏たちが居ない6限中、何かあると思った。
あいつが俺の、授業をサボると思えなかったから。
案の定、癒杏は顔を見せないまま早退し、中西たちは挙動不審で、俺と目も合わさず、逃げるように帰るし意味不明。
リビングに行けば、杏奈ちゃんが母親に何かを話してる。
「おかえり」と、浮かない表情で出迎えて来た陵介へ、適当に返事を返して自室に行く。
「癒杏…?」
ベッドには、俺の枕を抱き締めて寝てる癒杏。
少し大きい母親のパジャマを着て眠る癒杏の顔色は悪い。
何でか手を負傷してる。