Love Prince―18歳の初恋―【完】
「怖い…怖い…っ…」



「大丈夫だから。みんな居る」



癒杏の泣き声に、杏奈ちゃんも泣きそうになってる。

…絶対。

閉じ込めたヤツを許さない。

培返ししたって、許される筈だ。



「ごめん…守れなくて」



教師じゃなく、同い年の生徒だったら。

普通にサラリーマンや、親父と同業だったら、もっと早く、癒杏を守れたかも知れない。

自分の立場のせいで、こんなに泣かせる事、傷付ける事はなかっただろう。



「お兄さん…お願いがあります」



癒杏の頭を撫でてると、杏奈ちゃんが固い口調で話し掛けて来た。
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